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争う(シリーズ人間科学)(2022)大阪大学出版会
「第7章 争いとしての災害」を担当。この世界を自然と人間の動的平衡モデルだと捉えることで,その破れを災害というふうに考えてみました。(もちろん,自然と人間は分離できるものではないという批判はありますが・・・)。その中で,災害における「加害者」とは何なのかを考えました。これは水俣や福島から学んだことでもあります。「高校生でも分かるように」というオファーだったので,思考のエッセンスを詰め込んで,できるだけ込み入った話にならないように注意しました。とはいえもう少し深められたらなと思っています。
そこにすべてがあった バッファロー・クリーク洪水と集合的トラウマの社会学(2021)夕書房
「序章」「第1章」「終章」「第二版に寄せて」の翻訳と訳者解題を担当しました。集合的トラウマの理解のみならず、空白の傷を聴くというモチーフで非当事者の関わり方についても考えました。
東日本大震災と災害ボランティア ―岩手県野田村、復興への道(2021)大阪大学出版会
「第6章 記憶の復興ー写真返却お茶会の10年ー」を担当(外舘真知子と共著)。野田村での被災写真返却お茶会のことをまとめて書けたので個人的には好きな章。じつはこの活動は映画『浅田家!』でも舞台になっており、『浅田家!』の後日談としても読めるようになっています。
復興のための記憶論ー野田村被災写真返却お茶会のエスノグラフィー(2020)大阪大学出版会
「そこにおじいちゃんがいるんです」。津波で流された写真を前にして、人は思い出すのではなく、「出会い直す」のだ。
記憶とはなにか。想起とはどういうことなのか。野田村での写真返却お茶会のエスノグラフィーをもとに復興について議論する。