2022年3月に刊行された質的心理学研究第21巻に掲載の「実践としてのチームエスノグラフィ:2016年熊本地震のフィールドワークをもとに」(置塩 ひかる・王 文潔・佐々木 美和・大門 大朗・稲場 圭信・渥美 公秀と共著)が日本質的心理学会の優秀論文賞を受賞しました!
質的心理学会の優秀論文賞は毎回オリジナルの受賞名が付与されることになっていまして、本論文は「優秀フィールド実践記述革新論文賞」となりました!
この論文は、熊本地震のときのフィールドワークと論文中では触れられませんでしたが大阪北部地震のときのフィールドワークがもとになって書かれています。人類学などのフィールドワークは単独で行われることが多いのですが、災害救援となると人手が足りないことも多く、大人数でボランティアに行く機会が増えます。そういった、複数人で現場をうろうろすることを一つの論文としてまとめられないか、そしてそうやって書くことを通じて「チームエスノグラフィ」の可能性をひろげられないか・・・と考えて書いた論文です。
なので、質的心理学研究の中でも最も共著者数が多い(7人)論文となりました。たくさんの仲間と議論しながら、ときに励まされながら書いた論文なので、賞をいただけて感動もひとしおです。そして、なによりも現地のみなさんのおかげで書いた論文です。「チーム」とは研究者集団だけではない、というのが論文で書いた「サビ」の部分でした。
熊本地震のときに一緒にボランティアした同期が書いた本です。「チームエスノグラフィ論文」の別視点です。こちらもあわせて読んでもらえると嬉しいです。